OSC東京お疲れ様でした。毎回楽しいですが、今回は特に楽しく有意義な時間を過ごせました。
開催前
ねらい
mikutterはTwitterクライアントといい切るにはあまりにも汎用的で、先日リリースしたmikutter 3.6では完全にTwitterクライアントはmikutterのサブセットとなりました。
一方Twitterが発表しているAccount Activity APIに関する一連の施策はTwitterクライアントの息の根を止めるには技術的に十分厳しい制約を含んでいます。これはDisplay Requirementsに匹敵するインパクトがあり、今や痩せてしまったTwitterエコシステムを絶滅させるのに十分な威力を持っています。
mikutterもこれによって大きな影響を受けますが、致命傷ではありません。今回はOSCで最も人が集まる東京の場を借りて、できるだけ多くの人に直接「mikutterは活発に続いている」ということを感じ取ってもらうことを目標にしました。
参加した経緯
そのような目標は後付で、 ふぇのまーさんが「東京出展するけど来るかw」と言ってきたので「んじゃセミナーだけさしてw大阪の使いまわすわw」と返して参加しました。ふぇのまーさんは誕生からmikutterを見守り続けてきたユーザでもあり、私の次にコミット権限を付与された、最初のmikutterコミッタでもあります。
グッズ
mikutterの薄い本
mikutterの薄い本製作委員会から委託を受け、同サークルの同人誌を頒布しました。
- mikutterの薄い本vol.11
- mikutterの薄い紙vol.12
- mikutterの薄い本vol.12+13
個人的には、この本の技術的な側面に強い価値を見出しています。手に取ってくれた方のmikutterへの理解を深めることの助けになれば幸いです。
缶バッジ等
2月になってから、以前OSC京都でグッズ製作を依頼した業者に依頼することが難しくなるため、急遽弔い発注をしました。以下のグッズを、mikutterの薄い本を買ってくれた人におまけとして頒布しました。
- しいたけストラップ: そんな馬鹿な、疲れてるんじゃないですか。これは缶バッジと同じ材質ですが、裏についているのが安全ピンではなく、ストラップジョイントになっています。
- mikutter Mastodon缶バッジ: mikutterのMastodonインスタンスのロゴをあしらった缶バッジです。普通の缶バッジと違い、長方形で、すこし大きめです。
グッズを作った動機が動機ですから、今後グッズを作る可能性は低いです。今回入手できた人は大事にしてください。
当日
土曜日のみ参加だったのに間違えて金曜日から参加しました。
展示内容
今回は、そこら辺のテレビ等のリモコンにmikutterコマンドをアサインできるプラグインと、mikutterでMastodonを利用するためのプラグインのうちの一つである Worldon をインストールし、TwitterとMastodonでOSCに関する投稿を検索した結果を一つのタイムラインで閲覧している様子を展示しました。
古くから使ってくれている人に向けて
ともかく、mikutterは元気だぞ!ということが伝わっていれば良いです。
mikutterを心配してくださっている人がこんなにいるのは、mikutterが自由な遊び場として役割を果たせている証拠です。Twitter社が何をしようが、私達の哲学を曲げることはできません。mikutterはそれを体現するものであって、Twitterクライアントという側面はその時代に合わせてそうなったに過ぎません。もはやmikutterが独り立ちするというのは夢物語ではありません。
展示ブースに来てくださった人の目の前に、TwitterとMastodonのTLがマージされ、ひとつのmikutterとしてそこに存在しているのは、mikutterがMastodonクライアントになったからではありません。mikutterは、mikutterなのです。
Mastodonユーザに向けて
mikutterに注目する人が今更ぐんと増えた理由を、Mastodonを抜きに語ることはできません。
mikutterを使うことを選ぶような皆さんは、Twitterエコシステムに魅力を感じているはずです。そんなものがTwitterにあるのかと言われると、残念ながらそれは過去のもので、今私達がMastodonに感じている魅力がそれでした。
WorldはmikutterをTwitterから解き放ちました。今日日新たにmikutterに興味を持つ人は、Mastodonを選ぶような人です。 Twitter社に人の心を変えるような力はありません。今回mikutterブースに来てくれたMastodonネイティブのユーザは、かつてのTwitterユーザと全く同じ目の輝きを持っていました。
Twitterだけを使っている、mikutterを知らない人に向けて
mikutterは主にLinuxとかで、様々なWorldを乗りこなすためのソフトウェアです。 mikutterが主、Twitterが従というのは若干話を盛っていますが、これからmikutterに触れる人にはTwitterの話をする必要はありません。Worldonプラグインは私が作ったわけではないですから、人のふんどしで相撲を取っているのです。
しかし捉え方を変えると、私はMastodon APIがどんなものかほとんど知らないのに、私の書いたソフトウェアでMastodonを利用できている。これは新しいことではありません。mikutterのプラグインシステムは強力で、それがmikutterをmikutterたらしめるものなのです。
セミナー
セミナーでは、OSC大阪とほとんど同じ内容で行いました。大阪の方はレポートを書きそびれたので、要するにこのセクションが大阪のレポートを兼ねているんですが。
発表に使ったスライドを一応公開しています。
今回は、話を3つに分けて、前の話の知識を前提にして次の話を展開していくという構成をしてみました。
- Twitterの歴史について: Twitterはもともとは我々にとって面白いものであったということ。それが今のような状態に変質した過程について。
- mikutterの歴史について: Twitterクライアントとして始まったわけではないということ。一方でTwitterエコシステムに深い憧憬を覚え、それに育まれてきたということ。
- mikutterのこれから: そのような歴史を持っているから、Twitterの死を心から悲しみ、それをバネにして更に成長する意思があるということ。Twitterと違ってmikutterエコシステムが喪われることはないから、みんなにmikutterを育てて欲しいし、育てられて欲しいということ。
最初の話ほど知っている人が多いという構成です。知っている人には懐かしいオッサンホイホイな話ですし、前提知識がほとんど無い人でもある程度理解できるように配慮し、どちら側の人にも楽しんでもらえるセッションを目指しました。
いつも原稿を書く時はターゲットを明確に決めてから書き始めるのですが、今回は難しかったです。新しい風が吹いていることも事実ですが、Twitterについてお話することができるのは今回が最後になるかもしれません。最終的には、どちらかといえば新しい人向けに倒してmikutter哲学をお話したのですが、それをこれからも貫いていくという証拠を見せるには、過去を語るのが一番確実と考え、このような構成になりました。
実際どうだったかは聞いてくれた人たちの中にあるのですが、笑いはたくさん取れたので、良かったんじゃないですかね。凍結ネタを言ったらみんなちゃんと笑ってくれる温かい人ばかりで、凍ったアカウントが思わず解凍しそうになりました。んなわけあるかアホ。
その他
熱
一日目の朝疲れで微熱が出てました。この週は全然眠れなくて、睡眠不足みたいになってたんですよね。症状などから風邪などではなく単なる疲労だと思ったので、高いりぽでーとか飲んで乗り切りました。わざわざ東京まで出てきて出席できないとか洒落にならないので、気をつけましょう。
カプセルホテル
なんとなく人生経験を積みたくなってカプセルホテルに生まれて初めて泊まったのですが、中国人ばかりという噂は完全に嘘で、もっとアラビアンな感じでした。 寝心地は、空調が効いた屋根裏部屋みたいな感じで悪くはなかったんですが、1時間に1回くらい目が覚めたり、貴重品を入れておくロッカーが全然別の階で、荷物をしまってベッドに戻っては何か取りに行くという無駄な往復を繰り返すことになりました。俺のようにどんくさい人間には現実的ではないですね(どんくさいというより、翌朝熱が出ていたことを考えるとこの時点で結構疲れていたのか?)。
私は別に潤沢にお金があるわけではないですが、東京に行ける程度にはあるんだし、寝る場所はお金を掛けるべきところだということを再確認しました。
チョコの展示
あっきぃから、俺の母からバレンタインデーにもらったというチョコをもらいました。何を書いているかわからないかもしれませんが、あっきぃが俺の母親からチョコを貰って、そのチョコが2袋に分かれていたからと、半分を俺にくれたのです。 チョコは、色といい形といい、タニシの卵みたいな見た目で、自分の母親ながら良いセンスをしていると思いました。
ゆゆ式
Blu-ray5巻をあっきぃにもらいました。実は持っているBlu-rayは2巻以外全部貰い物で、2巻は去年あっきぃにブックオフで強制的に買わされたものです。5巻にはパン人間とかが入っています。 あっきぃがmikutterコミッタのあひるに1,2巻を与え、強制視聴させている隣でmikutterをリリースする。優雅なひとときです。ゆゆ式にはヒーリング効果があり、決して楽ではない旅程だったにも関わらず、前述の熱も引いて帰る頃には却って元気になっていました。免疫力も落ちていたでしょうに風邪も貰わなかったことから、ゆゆ式の偉大さが窺い知れます。
東京マラソン
木曜日の宿はともかく、金、土の宿が例年より無くて難儀したのですが、東京について電車に乗ったら、東京マラソンのポップが吊られていて全てを察しました。例年だとそんなに焦らなくても普通に宿は取れていたのですが、3ヶ月前には参加することは決まっているのだし、宿はさっさと押さえてしまったほうがいいなと思いました(当たり前だ)。
ちょっと慣れてくると雑になってミスをするという典型的なあれですね。
あっきぃハウス
マジで泊まるところがなくて泊めてもらいました。ゆゆ式全巻見放題など、カプセルホテルより遥かに快適に過ごさせてもらいました。
しかし、あっきぃが「うんこうんこ」などと口ごもりながらiPadを持ってトイレに行ったと思ったら、「ウンチ!」と叫ぶオウムの動画の音声がトイレから聞こえてきて、若干彼を頼ったことを後悔しました。
手土産
適当に買っていった焼き八ツ橋(前日カプセルホテルに泊まっていて冷蔵する手段がなかったため、生を避けた)を持っていったのですが、これがなんとも微妙で、別にまずいわけでもないし、そこまでおいしいわけでもないので、取れ高がありませんでした。
京都のお土産は、京都駅中央口のエスカレーターを下って地下一階にあるおみやげ屋のなかに福寿園の店舗があるので、そこで適当なお茶を買うのが個人的にはおすすめです。
OSCの公式ツイッターアカウント
二日目の行きの電車で宮原さんと偶然一緒になりました。
その後、一時的に電波状況が悪く、OSCの公式ツイッターアカウントが表示できなかったので「凍結されたのではwww」などと言っていたら、宮原さんがちょっと食い気味に「それはない」と言ってきて面白かったです。
それはない、なんてありません。昨日が艦これ公式アカウントなら今日はOSC公式アカウントだったとしてもおかしくありません。なので凍結の先輩として「Twitterは人生と同じで、終わりは突然来るんですよ」とアドバイスしておきました。本当に、突然ですよ。
まとめ
mikutterは俺のために作っていて俺が楽しいからOSCに参加しているので、その上で周りが楽しんでくれたほうが当然良いですが、一番大事なのは自分がどうだったかです。
冒頭にも書きましたが今回はとても満足しました。そうやって俺のモチベーションが上がれば、mikutterの進化が加速するので、みんなにとって良いことだと思います。今年も近場のOSCにちょくちょく参加していい感じにやっていけたらなと思います。